プレイバック幻A少年
さて波乱の入学式を終えた<彼>はある重大な一つの悩みを抱えていた。友達が出来るかどうかである。中学校までをふつうに過ごした人間なら簡単に解決できそうに見える問題だが、彼には一つのハードルがあった。そう、それは<彼>の入った学校が<彼>にとってまさに異国の地であったということである。
なぜなら<彼>の出身、I県内M公国(王国という言われ方をされてきたが、公国と言うほうが適当であろう)と、<彼>の通うT葛高校のあるK市は、その境を行き来するさいには、パスポートと入国税が必要とされているほど、仲が悪い(自分で書いてて意味不明)。ようするに土地も違えば人柄も違う、ということで、そのC県民の話題とテンションに全くついていけなかったのである。
しかしここで<彼>に一筋の光明が射す。
T葛高校では入学生に対し、そのシステムを教える新歓というものが存在する。そのときには1年生のHRにひとりずつ進行役の在校生がつき、生徒会各機関の代表者がそれぞれの教室を回るというものである。<彼>のHRについた進行役がM公国出身者だったのである。そして<彼>はその進行役の話に愕然とした。
どうやらT葛高校ではM公国がバカにされ、ネタにされているというのだ。結果、M公国民はネタにされるようなのである。入学式の次の日から、まるで小学生のがきんちょがかぶっているような帽子をかぶって登校という、もともと異常な雰囲気を放っていた彼はあっという間に1Eのネタ人間として祀り上げられた。つまりそのキャラを持って数名の友達を獲得したのである。
だが先に結果を言ってしまえば、彼はいじられるということによってしかそのキャラを発揮できなかったので、その後の2年間はクラスに溶け込めぬまま、クラスを去ったというがまたそれは別の話である。
なぜなら<彼>の出身、I県内M公国(王国という言われ方をされてきたが、公国と言うほうが適当であろう)と、<彼>の通うT葛高校のあるK市は、その境を行き来するさいには、パスポートと入国税が必要とされているほど、仲が悪い(自分で書いてて意味不明)。ようするに土地も違えば人柄も違う、ということで、そのC県民の話題とテンションに全くついていけなかったのである。
しかしここで<彼>に一筋の光明が射す。
T葛高校では入学生に対し、そのシステムを教える新歓というものが存在する。そのときには1年生のHRにひとりずつ進行役の在校生がつき、生徒会各機関の代表者がそれぞれの教室を回るというものである。<彼>のHRについた進行役がM公国出身者だったのである。そして<彼>はその進行役の話に愕然とした。
どうやらT葛高校ではM公国がバカにされ、ネタにされているというのだ。結果、M公国民はネタにされるようなのである。入学式の次の日から、まるで小学生のがきんちょがかぶっているような帽子をかぶって登校という、もともと異常な雰囲気を放っていた彼はあっという間に1Eのネタ人間として祀り上げられた。つまりそのキャラを持って数名の友達を獲得したのである。
だが先に結果を言ってしまえば、彼はいじられるということによってしかそのキャラを発揮できなかったので、その後の2年間はクラスに溶け込めぬまま、クラスを去ったというがまたそれは別の話である。
――2002年4月9日――すべてはここから始まるのである。
物事のめぐり合わせ、というものは恐ろしい。今思うと、”あの”事件はそれから3年間の動乱の布石だったとすら私は思えるのだ。
繰り返すようだが、それが起こったのは忘れもしない2002年4月9日、まだ昼前のことである。
その日はわが高校の入学式であった。わが校の入学式は他のものと比べて明らかに異質である。≪彼≫はその後私にその日のことを、「カルチャーショックを受けた」と語っている。式は入学席の入場から始まった気がする。その後の国歌斉唱では在校生がほとんど立たない、という異常事態に新入生は驚きを隠せなかった。だが≪彼≫の高校でのポジションをほぼ位置づけたのは、その直後のことである。 続きを読む
物事のめぐり合わせ、というものは恐ろしい。今思うと、”あの”事件はそれから3年間の動乱の布石だったとすら私は思えるのだ。
繰り返すようだが、それが起こったのは忘れもしない2002年4月9日、まだ昼前のことである。
その日はわが高校の入学式であった。わが校の入学式は他のものと比べて明らかに異質である。≪彼≫はその後私にその日のことを、「カルチャーショックを受けた」と語っている。式は入学席の入場から始まった気がする。その後の国歌斉唱では在校生がほとんど立たない、という異常事態に新入生は驚きを隠せなかった。だが≪彼≫の高校でのポジションをほぼ位置づけたのは、その直後のことである。 続きを読む
12月に入り、僕は一つの別れを経験しました。といっても別に誰かに振られたわけではありません。毎朝自転車で通っていた、A飲料工場の警備員のおじさんです。
高1の頃、僕はいろいろな事情からM市から1時間もかけて、K市まで通っていました。毎朝通る道は同じなので、時間が同じなら出会う人は同じはずです。しかし実際は違います。例えば、電車だってそうでしょう?毎日同じ時間、同じ駅、同じ場所から乗ってるのに、毎日同じ人と会うわけではない。そして自転車通学ならなおさらです。顔を覚えるほど同じ人には会いません。
しかし、その警備員のおじさんは違いました。
最初はもちろんお互い知らんぷりです。というか「ふり」もしてなかったかもしれません。でも1ヶ月ぐらいから意識を始めます。その後のある日、二人の目が合いました。
「おはようございます」
僕の口から出たのは朝の挨拶だった。小学校の頃はみんな誰にでもしていた行為だが、成長し、テレが出れ、だれそれにはしなくなる。だが僕は小さい頃から挨拶の大切さを教え込まれたので、近所の人に会えば必ず、最低でも会釈ぐらいはする。今でも廊下ですれ違う先生にも挨拶はする。そしてそのおじさんも、威勢のいい声で僕の挨拶に答えてくれた。
それからは会えば必ずお互いに大きな声で「おはようございます」を掛け合った。寝起きの悪さを母親にののしられ不機嫌にペダルをこいでいても、そのおじさんと挨拶をすれば本当にすっきりして、ペダルが軽くなっていた。その朝の儀式はほぼ3年間、毎朝続いた。
だけど僕ももう受験生だ。さすがに電車通学に切り替えることにした。そのことを考えたとき、すぐにあのおじさんの顔がうかんだのである。最近は別の警備員さんにも挨拶をしていたし、また返してくれた。でももうあえなくなる。お互いに名前も知らないのに、なぜこんな気持ちになるのだろう。
その道を自転車で通う最後の日。僕は大きな声で挨拶をした。警備員さんも応えてくれた。僕は自転車をおりて、警備員さんに話しかけた。別にそのまま素通りしてもよかったのだが。
「ぼ、ぼ、僕、自転車を通るのは今日で最後になるんです・・・で・・・いちおう毎朝会っていたし、挨拶もしていたから、いちおうお別れをと思って・・・」
おじさん、にっこり笑って
「ごくろうさまでした!」
と敬礼してくれた。ぺこりと頭をさげて「さよなら!」と叫んで学校へ向かった。
おかげさまでこのBlogも記事を50件越えました。またコメントも結構多く帰ってくるのでやる気が出ます。そして自称T葛の怪人である私も、この学校から去るのももうすぐのことです。ですので50号突破企画として、このカテゴリでは僕の高校生活を振り返ってみたいと思います。
高1の頃、僕はいろいろな事情からM市から1時間もかけて、K市まで通っていました。毎朝通る道は同じなので、時間が同じなら出会う人は同じはずです。しかし実際は違います。例えば、電車だってそうでしょう?毎日同じ時間、同じ駅、同じ場所から乗ってるのに、毎日同じ人と会うわけではない。そして自転車通学ならなおさらです。顔を覚えるほど同じ人には会いません。
しかし、その警備員のおじさんは違いました。
最初はもちろんお互い知らんぷりです。というか「ふり」もしてなかったかもしれません。でも1ヶ月ぐらいから意識を始めます。その後のある日、二人の目が合いました。
「おはようございます」
僕の口から出たのは朝の挨拶だった。小学校の頃はみんな誰にでもしていた行為だが、成長し、テレが出れ、だれそれにはしなくなる。だが僕は小さい頃から挨拶の大切さを教え込まれたので、近所の人に会えば必ず、最低でも会釈ぐらいはする。今でも廊下ですれ違う先生にも挨拶はする。そしてそのおじさんも、威勢のいい声で僕の挨拶に答えてくれた。
それからは会えば必ずお互いに大きな声で「おはようございます」を掛け合った。寝起きの悪さを母親にののしられ不機嫌にペダルをこいでいても、そのおじさんと挨拶をすれば本当にすっきりして、ペダルが軽くなっていた。その朝の儀式はほぼ3年間、毎朝続いた。
だけど僕ももう受験生だ。さすがに電車通学に切り替えることにした。そのことを考えたとき、すぐにあのおじさんの顔がうかんだのである。最近は別の警備員さんにも挨拶をしていたし、また返してくれた。でももうあえなくなる。お互いに名前も知らないのに、なぜこんな気持ちになるのだろう。
その道を自転車で通う最後の日。僕は大きな声で挨拶をした。警備員さんも応えてくれた。僕は自転車をおりて、警備員さんに話しかけた。別にそのまま素通りしてもよかったのだが。
「ぼ、ぼ、僕、自転車を通るのは今日で最後になるんです・・・で・・・いちおう毎朝会っていたし、挨拶もしていたから、いちおうお別れをと思って・・・」
おじさん、にっこり笑って
「ごくろうさまでした!」
と敬礼してくれた。ぺこりと頭をさげて「さよなら!」と叫んで学校へ向かった。
おかげさまでこのBlogも記事を50件越えました。またコメントも結構多く帰ってくるのでやる気が出ます。そして自称T葛の怪人である私も、この学校から去るのももうすぐのことです。ですので50号突破企画として、このカテゴリでは僕の高校生活を振り返ってみたいと思います。
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